これはワタシの勝手な推測による考えです。その点を踏まえて、お読みください。
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問題の本質は政治家や官公庁の人たちの権力低下
103万円の壁を引き上げに対して、反対している、または他の増税案とのセットにしようとしているのは、税収が減ってしまうことが原因だと思われています。
しかし、これは本質ではありません。
確かに103万円の壁を引き上げると、税収が下がる可能性はあるでしょう。ただ、その分、所得が増えれば、それによる経済効果があるため、逆に税収が増える可能性もあります。
このあたりの試算については後述します。
で、問題の本質は何か?というと、税収が減ることによる政治家や官公庁の権力低下が本質なのです。
税収が減れば社会保障が回らないと言われますが、そんなことはありません。
他の予算を削れば良いだけです。
しかし、他の予算を削るということは、政治家や官公庁にとっては、自分たちが懇意にしている人たちにお金が流せなくなってしまいます。
そこが政治家や官公庁の人たちが心配している点なのです。
収入内でやりくりする家計と、足りない分を増税できてしまう政府
普通、収入が減ったら、その中でやりくりするでしょう。
しかし、政府は違います。
足りなくなったら増税をするわけです。
この感覚がワタシは大きな間違いだと思っています。
本来であれば、税収が減ったら、予算配分を変えるのが、真っ当なやり方でしょう。
しかし、政治家にしても官公庁にしても、そのような考えがありません。
むしろ、国民を無限にお金が出てくるATMとしか考えていないフシがあります。
企業とのズブズブの関係
政治資金パーティーしかり、天下りしかり、官公庁と大企業にはズブズブの関係になっています。
バブル崩壊以降、失われた30年の原因の1つは、このズブズブな関係にあったとワタシは考えます。
なぜなら、政治家や官公庁と繋がっていれば、安定した収入、つまり官公庁から仕事を依頼されるからです。
新しいビジネス生み出したり、市場拡大を目指すよりも、ズブズブの関係になった方が楽という話。
ワタシの知る限りですが、IT業界においては、このズブズブの関係から、日本のIT業界が足を引っ張られていた事例がいくつもあります。
おそらく他の業界でもそうではないでしょうか。
そしてそれが、政治家や官公庁の権力でもあります。
この関係を壊さない限り、日本はこのまま衰退していくのは間違いないでしょう。
というか、歴史を見ても、政府の腐敗が国を崩壊を招いた例は枚挙にいとまがありません。
「人は歴史から何も学んでいないことを学ぶ」なんて言葉がありますが、言いえて妙ですね。
能力主義、成果主義を謳いながら、政治の実情はその逆
日本が能力主義、成果主義へ大きく舵を切ったのは、小泉政権からかなとワタシは思っています。
いわゆる聖域なき構造改革です。
非正規雇用を増やし、二極化を進める政策は、当時、圧倒的な支持を受けました。
しかし、結果として日本の国力は後退しています。
その理由は、能力主義、成果主義が悪いのではなく、能力主義、成果主義を謳いながら、政治の実情はその逆になっていることが原因だとワタシは考えています。
具体的には、前述したような政治家や官公庁と企業のズブズブの関係です。
その恩恵にあずかれない人たちは、能力主義、成果主義を押し付けられ、給与が下がったということ。
このダブルスタンダードが、問題だとワタシは思っています。
また、ズブズブの関係という点では、二世三世の世襲議員についてもそうですね。
政治家になるには、能力や成果ではなく、ましてや政策でもなく、三バン(ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄))が必要という話。
これが現在でもまかり通っていること自体、おかしな話です。
構造改革をするのであれば、まず「隗より始めよ」ではないでしょうか。
ワタシたちにできることは、声を上げることと投票
と、恨み節を語るだけになってしまいましたね。
でも、ワタシたちにもできることはあります。
それは、声を上げることと投票です。
増税に明確に反対するという声を上げることがまず大切でしょう。
そして、一番大きいのは選挙における投票です。
前回の衆議院選挙では、国民民主党が予想外に伸び、結果として、ずっと問題とされていた103万の壁の上限が上がる可能性が高くなってきました。
これは投票が政治に大きな影響を与えるという確かな事例です。
ですので、ワタシたちは、これからの状況をしっかり注視し、次の選挙で投票する先を決めることが最も重要と言えるでしょう。
政治家、官公庁(官僚)の人たちは国民を見てほしい
これは、ワタシの個人的な願いです。
「政治家、官公庁(官僚)の人たちは、自分たちの利益ではなく国民を見てほしい」ということ。
103万円の壁の上限が上がることで、確かに税収は下がるかもしれません。
しかし、それによってハッピーになる国民がたくさんいます。
そういう国民を見て、政策を進めて欲しいです。
献金や天下り先とか、眼の前のニンジンに釣られてしまうのは、人間ですから仕方ないのはわかります。
でも、ニンジンに釣られて良い時代は、もう過ぎてしまったとワタシは思っています。
諸先輩方は、様々な甘い汁を吸ってきたのだから、自分たちも甘い汁を吸いたいというのもわかりますが、もはや日本はそんな状況ではありません。
一度、立て直しをしないと、本当に日本は崩壊してしまいます。
だから国民の方をちゃんと見てほしいです。
今の時代に政治家や官僚になってしまったのは、運が悪かったと諦め、国民のために頑張ってほしいなと思います。
再び日本を復活させて甘い汁を吸うことを目指してほしいという話です。
みんな豊かなら、甘い汁を吸っていても、それほど咎めないと思うので。
もし103万円の壁で働くの断念している人が1000万人いた場合の試算
最後に経済効果などについて書いておきます。今回、103万円の壁の上限が上がることで恩恵を受ける方の正確な人数を調べたのですが、見つからなかったので、ざっくりと1000万人としました。
日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)(令和 6(2024)年推計)によれば、一般世帯数が約5500万世帯なので、ざっくりと1/5の1000万世帯ぐらいに影響があるかなと推測。1/5は感覚的なものです。
近年では共働きも増えているのと、高齢者が増えていることから、以前に比べると数は相当減っている気はします。
世帯の平均がざっくり2.5人ぐらいなので、実際にはもっと多くの人が該当する可能性あり、そのあたりの差し引きを入れて、1000万人としました。
ということで、以下、1000万人が該当する前提での話。
103万円の壁を178万円にした場合、世帯あたりの収入が75万増えます。
仮に1000万人が103万の壁で、それ以上仕事をしていなかった場合、年間で7.5兆円です。
で、ここで問題なのは、7.5兆円分の税収が減るというわけではなく、そもそも103万の壁があったので働かなかった人が、その分使うお金が7.5兆円という点。
この7.5兆円が動けば、それだけ経済が活性化しますし、他の人の年収も増えるため、結果、税収が増えます。
税金として減る分というのは、それまで178万円の収入があった人の分になります。
大切な点は、その数値について、明確になっていない点。
つまり、178万円に該当する人たちがどのぐらいいるのか、そして103万の壁で働いていない人がどのぐらいいるのかが、ちゃんと把握できていないんですよね。
政府は、103万円の壁の上限引き上げの税収の減少額が7兆円から8兆円という試算を出しています。
しかし、前述したように103万の壁で働いていない人が1000万人いれば、年間で7.5兆円のお金が動き、さらに経済効果を考えると、かなり大きいと思います。
経済効果については、試算方法が様々ありますが、だいたい2倍〜2.5倍ぐらいになることが多いので、最低でも15兆円の経済効果が見込めます。
単純に比較はできませんが、北陸自動車道全線開通30周年の累積経済波及効果は約15兆円と算出されているので、それと同じくらいの経済効果が見込めるわけです。
で、これまで178万円の人は税金を取られていたのですが、その税金分も回ってくるので、1000万人だとしても経済効果はかなり大きいでしょう。
結果として税金も増えますし、経済が活性化すれば、好循環が生まれます。
お金を使う人が増えれば、それだけビジネスチャンスにもなりますし、多くの企業が恩恵を受けられ、株価も上がるでしょうし、投資にお金を回す人も増えるのではないでしょうか。
ワタシの予測では、直近の税収は減ると思いますが、翌年からは税収が増えるのではないかと推測しています。
理由として経済が活性化すれば、それだけ税収が増えるのと、多少インフレになる可能性があって、インフレになれ結果として、同じ税率だったとしても、税収が増えるからです。
リンク
- 三バン – Wikipedia
- 日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)(令和 6(2024)年推計)
- 北陸自動車道全線開通30周年の累積経済波及効果が約15兆円と算出 – 金沢大学先端観光科学研究所 | Frontier Institute of Tourism Sciences Kanazawa University
- 103万円の壁対策で地方の税収減への対応が焦点に|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)