人間が未成年の状態にあるのは、
カント. 永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編(Amazon)
理性がないからではなく、
他人の指示を仰がないと、
自分の理性を使う決意も勇気も
もてないからなのだ。
カント
日本では成人になる年齢が18歳になりました。
18歳になると大人というわけです。
法律的に線引をしているだけなので、実際に大人としての行動ができるのか、大人としての決断ができるのかは別の話。
例えば、最近でも大学生がいろいろと不祥事を起こして炎上していますよね。
結局、18歳成人というのは、単純に社会的に責任を取らされる年齢という取り決めであって、実際に中身が成人かどうかは別ということです。
では、成人、大人になるとはどういうことでしょうか?
カントの言葉から言えば、他人の指示が無くても自身で行動できる人と言えるかもしれません。
その昔、指示待ち症候群みたいな言葉がありました。
若い新入社員に対して、最近の若いものは〜的な言い回しの1つです。
最近だとZ世代とかもそうですね。
そもそも、組織においては、指示命令系統がしっかりしていないと、組織崩壊を招くので、正直言えば、指示を待っている部下の行動は正しいと言えます。
ただ、自分の頭で考えていない未成熟な状態と言いたいんだろうなと。
でも、実際にはいろいろと考えてはいるけれど、行動はしないだけというケースがほとんどだと思います。
そして会社という組織の中では、なかなか発言しにくいだろうなあって。
ワタシは結構言ってしまうことが多いのですが、それで上司や社長とケンカまではいきませんが、不和状態になることが多かったですし。
基本的に上司はマトモに部下の話を聞くことはありません。
たとえ、部下の話が正しかったとしても、上司には立場があるので。
けれど、上司の立場よりも、会社として、組織として、部署としての目的達成の方がワタシは重要だと思っています。
だから勇気を持って自身の理性に基づき指摘をするのですが、往々にして上手くいくことはないですね。
干されたこともありますし。
そういう意味では、カントの言葉は理想論で、現実の社会という点ではあまり役に立たないのかもしれません。
それでも、理想的な状態を目指すことが大切なのかなって。
カントも著書の中で、現状は理想的な状態に向かっている過程であるとは言っていて、善いこと悪いことも含めて様々なことが起き、紆余曲折を経て、終着点に向かうとも書いていたので。
結局、何が言いたかったかというと、理想は大切だけど会社という枠組みに入ることを決めたら、自身の考えはある程度抑えないといけないという話です。