私たちは溺れている。

投稿者: | 2025-11-30

常に溺れている。

溺れていないことなど、今まであっただろうか。

心も体も、ずっと何かに押され続けていて、気づけば、その見えない何かに侵入され、溺れてしまう。

本当は溺れているのに、もはや溺れていることに気づかない。

それが普通になってしまうと、私たちは溺れていることを忘れる。

そうやって、人は辻褄を合わせていくのだ。

溺れて何かを失って、失ったものを見ようとしない。

失ったものを認識してしまったら、そのまま溺れて、底に引き込まれてしまうかもしれないから。

バタバタともがいてみたところで、徒労に終わる。

多くの場合は。

それを知っているから、あがきたくないのだろう。

もしかすると、あがくこと自体、忘れてしまったのかもしれない。

忘れようとしているのかもしれない。

私たちは溺れている。

常に溺れている。

本当は溺れている。