道徳というものは、
禅に学ぶ 人生の知恵 澤木興道名言集(Amazon)
人間の能力を悪用しないということ、
人間の能力を最善に発揮することである。
澤木興道
道徳と言うと、善い行い、悪い行いという切り分けと言うか、分類というか、善悪の行動というものがいろいろとある印象があります。
だから、道徳を学ぶというのは、様々な事例について学び、善い行動なのか、悪い行動なのかを判断できるようになるための訓練のようなイメージです。
その範囲は広く、また事例のパターンも多くて、なかなか全てを学ぶのは難しいのかなって。
いわゆる有名な方や著名な方でも失言をしてしまうのは、様々なパターンの善悪で道徳を捉えていて、すべてを把握できていないからかもしれないと、この言葉を聞いて思いました。
悪用というと、悪い行いと考えがちですが、そもそも悪用という意味は、「(本来の目的・用途に反して)悪い事に利用すること」で、大切なのはカッコの中だと思います。
つまり、本来の目的や用途とは異なる方法が、善くないということです。
例えば、クレジットカード。
これは本人が支払いのために使うのが本来の目的であって、それに反する使い方が悪用というわけです。
こうして行動自体の善悪ではなくて、本来の目的とは異なる、本来の用途とは異なる使い方が善くないと考えると、すっきりするかなと思います。
また、最善を発揮するという言葉も、一般的な道徳という言葉とは少しニュアンスが異なりますが、ワタシ的には腹落ちしました。
善い行動をするのではなくて、自身の最善を尽くすこと、また周囲の人たちに対して最善を尽くすことが、大切なのかなってことです。
自身の最善を尽くすことはとてもわかりやすいかなと。
周囲の人たちに対して最善を尽くすというのは、わかりやすい例で言えば、家族を大切にするとか、部下の能力をちゃんと引き出すということかなとワタシは考えています。
そうすることが、最終的に道徳的な社会を生み出すように感じました。