いつか届くと思っていた想いは、いつまでも届かない。
いつだって、いつだって、いつだって、あとちょっとのところで、遅い、遅い、遅い。
気づくのが遅い。
伝えるのが遅い。
行動するのが遅い。
全部、遅い。
なにもかもが遅い。
なんで、遅いんだろう。
どうして、遅いんだろう。
いつも、失敗ばかり。
なにもかも、うまくいかないわけじゃない。でも、さいごのところで、いつも、失敗する。
もうちょっと、もう少しだけ、あとほんの少しだけ、早ければ、うまくいっていたのかもしれないのに。
怖い。
怖い。
怖い。
傷つくのが怖いんだと思う。
でも、何もしなくても、傷つくのだから、伝えれば良かったんだ。
すごく簡単なこと。
シンプルなんだけどな。
わかっていたのにね。
どうしてだろうね。
貴方が幸せであれば、良いと思ってた。
貴方の笑顔がすごく好きだから。
貴方の幸せな笑顔がきっと私にとって一番の幸せだと思っていたから。
私じゃ、ダメだと思っていた。
だから、もっともっと私が成長して、貴方にふさわしい人になりたかった。
だって、私にとって、貴方は、世界のすべてだったから。
貴方がいたから、ここまでがんばってこれたから。
ドロップアウトした私。人生に絶望していた私。
そんなときに、偶然出会って、こんな卑屈な私にも、普通に接してくれて。嬉しかった。すごく、すごく、すごく、すごく、すごく嬉しかった。
世界はいつだって、私に絶望しか与えてくれないと思っていたけれど、全然違った。貴方がいた。
神様なんて、この世界にはいないと思っていた。だって、世界には不幸が満ちあふれていたから。
でも、貴方と出会って、神様がいるかもしれないって思った。きっと、神様はこの人と出会うために、私を創造したのではないかと思った。
誰にも相手にされなかった私に、やさしく手をさしのべてくれた。それは、別に、普通のことだったのだろうけど、私にとっては、特別なことだった。だって、そんな風に私に接してくれる人はいなかったから。
私より容姿が良い人は一杯いるし、私より性格が良い人もいっぱいいるし、私より頭の良い人だっていっぱいいるし、わたしなんか、世界の底辺にいるダメ人間だと思っていたから。
でも、貴方に出会って、ちょっとずつ変わった。
私が寂しいとき、私が辛いとき、何も言わずに一緒に居てくれた。別に恋愛的なことは何にも起きなかったけど、貴方といれた時間そのものが、わたしにとっては宝物でした。
貴方の笑顔を見ることができて、それだけで、私は幸せで。
卑屈で、歪んだ性格の私にも普通に話してくれたから。
それは友達的な感じだったのだろうけど。そんなことはわかっていたけれど、でも、少しだけ、ほんの少しだけ、期待もしていた自分もいて。
でも、いつか届くと思っていたこの想いは、いつまでも届くことはなくて。
貴方が結婚すると知ったときは、ちょっと悲しかったけど、幸せになって欲しいなって、本当に思って。こころの底から、幸せになって欲しいって思って。
でも、でも、でも、やっぱり、結婚したのを見たら、涙が止まらないのは、悲しいからかな。
それとも、自分自身への悔しさなのかな。
あなたの隣にいるのは、私だったらと思う。
エゴなんだろうな。
でも、本当に幸せになって欲しいのは、本当で。なんだか、感情がぐちゃぐちゃになってって。でも、涙だけは止まらなくて。
貴方の結婚式を見て、今日、私は失恋しました。
ずっと現実感がなかったのだけれど、今日、それが身に沁みて。
貴方との思い出がいろいろとよみがえってきて、胸が痛くて痛くて痛くて。まだ、好きなんだろうな。きっとずっと好きなんだろうな。
忘れられるのかな。貴方のこと。
いつもきりっとして、凜としていて、貴方の周りだけ空気が違って見えていて、でも、実際には結構ズボラで、天然なところもあって、お酒が強いけど、結構寝ちゃうこともあって、歯に青のりつけながら、真面目な話したりして、歌は上手じゃ無いけど、いつも一生懸命で。
名前で呼んでもらったときは、すごく嬉しかったな。すごく、ドキドキした。
でも、あるときから、また苗字に戻ったんだよね。きっと、今の人と出会ったからだと思う。そう思いたいかな。心が離れていくのが、わかったけれど、私にはどうしようもなかった。私には何もなかったから。何も貴方にしてあげられることが無かったから。
でも、今、ちょっとだけわかったことがあるんだ。
きっと貴方も誰かに側にいてほしかったんじゃないかなって。私がそうだったように。
それは、私で無くても良かったのかもしれないけど、でも、私は貴方と一緒にいる時間が、すごく好きでした。
もう1回人生があったら、違う結末にしたいなとは思う。
私にできるかどうかわからないけど。
私は生まれてこないほうが良かったとずっと思っていたから、きっと輪廻転生があったとしても、人間にはなれないだろうな。
でも、貴方に出会って、生きていることが楽しくなったのは本当。
ずっとずっと好きでした。そして、これかもずっと好きです。