仕事というのはすべて、
アラン 幸福論 (岩波文庫)(Amazon)
自分が支配者であるかぎりはおもしろいが、
支配されるようになると、おもしろくない。
アラン
所謂裁量権と考えても良いのかなって思います。
会社で昇進していくと、どんどんできる仕事の範囲が広がり、裁量権が与えられるようになるのが普通です。
つまり、仕事に対して、自分自身の意思を反映させやすくなるので、仕事を支配していると言えるでしょう。
仕事をある程度自分の裁量権でできるようになれば、仕事が面白くなります。
逆にやらされ仕事は、つまらないというわけです。仕事に支配されていると言えるでしょう。
だから、多くの場合、自ら離職する人というのは、末端の社員が多いのです。
逆に言えば、社員の裁量権の範囲を広げて上げれば、会社を辞める社員は減っていくとも考えられます。
これはワタシがいくつかの会社で働いて感じた経験則ですが、社長や上司の締め付けが強い会社や部署ほど、社員の離職率は高い傾向にありました。
これって至極当然のことなのですが、いざ自身が社長や上司になると、部下を支配したくなってしまうんですよね。
悲しい話ですが、ワタシも最初に部下を持ったときは、部下が自分の思い通りに動いてくれなくて、結構強くあたってしまいました。
じゃあ、部下に優しくするのが正解なのか?というと、ワタシはそうは思っていません。
どういうことかというと、そもそも会社や部署の目標を達成するのが上司の仕事です。
部下に言うことをきかせるのが、仕事じゃないですよね。
そこをワタシは勘違いしていました。
大切なのは目標を達成することであって、そのために部下が気持ちよく働ける環境を作るのが上司の仕事ということです。
だから、目標達成から逆算して、部下に指示を出し、適切な接し方をすれば良いわけです。
怒ったり、部下の動向を逐一チェックすることで、目標が達成できるのであれば良いでしょう。
しかし、多くの場合、怒ったり、部下の動向を逐一チェックするような上司の部署は、毎回目標達成に苦戦します。
なぜでしょうか?
答えは明確ですね。
部署の目標は、部署のみんなが力を合わせることで達成できるからです。
怒ったり、部下の動向を逐一チェックして支配したら、部下は上司に対して不信感しか持ちません。
それでは部下の能力が発揮されないでしょう。
だから、部署の目標達成が厳しくなってしまうのです。
部下の力を十分に発揮させるには、部下が仕事に対して興味を持ち、面白いと感じなければ難しいでしょう。
だから、部下に裁量権を与えるのが重要なのです。
何でも部下の好きにやらせてしまったらと不安に思う方もいるでしょう。
でも、大丈夫です。
普通の会社では決裁のシステムがあるので、本当にマズい行動は止めることができます。
一度、部下を信じて、仕事を任せてみてはいかがでしょうか?
部下が楽しく仕事をしてくれれば、きっと部署の目標達成が以前よりも楽になると思います。