同じ将棋盤は、いつの時間か区別がつかない。
つまり時間の不可逆性とは、同じ状態にできないことであり、同じ状態を作ることで同じ時間と混乱し、タイムトラベルが可能となる。
デジャビュは、タイムトラベルの要素をはらんでいる。
時間が不可逆なのは、そもそも当然で、時間という概念自体をプラスというもので創り出したからと考えられる。
もともと負がない状態のもので式を組み立てたため。逆に言えば、時間という概念を取り払い、負でも成り立つような式が組み立ててられれば、過去へさかのぼることも可能かもしれない。
ただ、その際には現在生み出された式がすべて根底から覆るわけで、そもそも人間自体が存在できない可能性もある。つまり、そういう世界を考えることはできるけど、実際には存在しえないということ。
すごくわかりやすい例で言うと、映画「マトリックス」のような世界。今リアルに言えるのは、例えばコンピュータゲームの世界。これはタイムトラベルが可能で、時間を巻き戻すこともできる。ただ、その条件として状態の保存が必要になる。
状態の保存はとても大変で、これが過去にいけない理由の1つとも考えられる。そもそも原子の周りをまわっている電子が確率分布でしかないため、それをすべて記録したとしても、確率分布だから、同じ状況を作れたとしても、電子を捕まえようとした瞬間に状態が変わってしまう可能性がある。このことからも、やはり過去にいくのは難しいと考えられる。
ゲームの場合、状態をすべて保存していなくても、過去の状態を再現することができる。世界自体をすべて保存するわけではなく、主人公の状態を数値化することで、状態の保存量を減らしている。逆に、これをリアルな世界に応用できれば、限定的なタイムトラベルは可能かもしれない。少なくともワープは可能性を秘めている。というか、ある意味ワープ的なことは実際にできている。デジタルの世界では。
今送ったメールが数秒後には世界の裏側に届いている。このデータ量を増やしていけば、数秒は難しかったとしても、数分で人間を移動させることは可能かもしれない。ただ、そのときの人間は今の形ではないかもしれないが。
話をもどすと、タイムトラベルを可能にする条件としては、やはり状態の保存が必須条件のように思う。この状態の保存の問題を解決できれば、タイムトラベルは可能になる。ただ、リアルな世界では電子が確率分布であるため、状態を保存しにくい。それを解決するようなものができれば、あるいは可能かもしれない。
パラレルワールド的な考え方もあるが、これだけ膨大なエネルギーを毎秒というか全ての時間において状態を保存しておくとしたら、相当なエネルギー量が必要になる。それがこの世界に可能かどうかは不明であるが、もしできたとしてもそれはすでに人類が持っている数字を遙かにこえる数値になるため、現実的では無いと思われる。そもそも、宇宙が45臆年前に始まったというが、その前もある可能性があり、また過去に戻れるとするならば、今の状態がすでに過去である可能性もあり、未来の分まで含めると、すべての状態を保存しておくのはやはり難しいように思う。