本書は著者の実体験をマンガにしたものです。ですので、すごく伝わっってきます。どうしてもウツになったことがない人だと、当事者の気持ちって想像になってしまうので、わかりにくいところがありますよね。
その点、本書の著者はウツと付き合うこと18年ということで、いろいろと感じるところがありました。
家族の大切さ
著者はウツで入院した時に家族の協力があって立ち直ることに成功しています。特に著者はお子さんがいらっしゃるので、家族が子どもたちのことをみてくれたのが大きいと感じました。家族の大切さを改めて感じました。
徐々に心と身体が弱っていく
著者は、もともとバリバリ働いていました。それがある日倒れてしまいウツと診断されます。実際に、体調が悪くなるときって、ある一定ラインを越えたときに一気に来るんですよね。
また、いろいろな不調のサインは出ていたのに、それに気づかないようにしていたために再発もしてしまいます。体調不良や仕事のミスなど、身体が弱っているサインは、知っておくと自身のためにも良いかなって思いました。
もっと早く本書に出会っていたら
ワタシの場合は、気持ち悪くなって立てなくなってしまったことがあり、すごく筆者の気持ちが伝わってきました。自分ではどうしようもないんですよね。がんばって仕事したいのに、身体がいうことを効かなくなっていたのです。
また、心もかなり弱っていて、いろいろなことをネガティブに捉えることが多くなっていました。仕事のミスも多かったですし、結果に結びつかなくて、残業も一杯してしまいました。結果、限界が来て、仕事中に立ち上がれなくなってしまいました。
もっと早く、この本に出会っていたら、体調が悪くなることも無かったかなーって思います。
不調のサインは必ず出ているので、見逃さず、早めにケアするのが大切です。一度、ある一定ラインを越えると、もう元には戻れないからです。著者はうまく仕事も見つかり、対応できていますが、実際にうまく対応できない人も多いと思います。
ワタシは仕事をしすぎて病気になったことが度々あって、最近は働き方を改めて考えています。無理せず、著者のようにゆるゆると生活できるようになれてたらなーって日々思っています。
手遅れになる前に
書こうかどうしようか迷ったのですが、ワタシが以前いた職場で、そこまで仲は良くなかったのですが、ワタシ的に気になっている方がいました。すごくがんばり屋さんですが、なかなか結果につながらず、空回りしていることも多い人でした。人付き合いも苦手な感じの方です。
ワタシが働いていたときは、そこまででも無かったのですが、ワタシがその職場を辞めてから、いろいろとあったようで、飲みに行った際には、かなり元気が無かったことを覚えています。
それから、1年ぐらい後でしょうか、その方は自宅のマンションの11階から飛び降り自殺をしました。自宅は11階ではありません。オフィスが入っている階数が11階でした。明らかに会社のストレスで、後から聞いた話では、上司とうまくいっていなかったようです。
この話を聞いたとき、前に飲みに一緒に行った時、もっと話を聞いてあげれば良かったなあって後悔しました。明らかにちょっとおかしかったのですが、ワタシはその時、気になる人と話をすることを優先して、彼とはあまり話をしませんでした。
それが原因ではありませんが、何かしてあげることはできたかなーって思います。当時は、一人になるとそのことを考えてしまい、一人で「ごめんなさい」って謝っていました。本書を読んで、その時のことを思い出し、手遅れになる前に何かできたかなって改めて思います。
もし、周りで不調のサインを出している人を見つけたら、ぜひ助けてあげてほしいなーって思います。
保健師、病棟看護士として働く「支援者」だった著者が、自身のうつ体験をリアルに紹介。
マンガでわかる どんなウツも、絶対よくなる ラクになる! Kindle版
著者:有島サトエ