ゲームとポリコレとゲームメディアとゲーム開発会社と

投稿者: | 2024-07-18

ナカイドのゲーム情報チャンネルで公開された「【激怒】ポリコレに逆らえば中傷…クソゲーを騙し売り…最近のゲームメディアが終わっている件」について、いろいろとワタシが思ったことを書いていこうかなと思います。

ユーザにできることは面白いゲームを評価し買うこと

動画では、ゲームコンサル会社「スイート・ベイビー」が、ゲーム開発会社に対して10億円のコンサル料を要求し、それを拒否したことを発表したゲーム開発会社の話や、ポリコレに従わなかった会社を叩くゲームメディア、そしてゲームメディアがゲーム開発会社に対して配慮して正しい情報を発信していないこと等が語られていました。

確かに近年のゲーム業界については、規制がかかっているのではないかと思えるような表現が増えているのは確かです。

そしてそれは、ポリコレや多様性などの世界的な風潮や前述の「スイート・ベイビー」のようなゲームコンサル会社や活動家などの影響があることは多くの人が納得できる事実なのかなって思います。

また、ゲームメディアが正しい情報を発信しなかったことで、面白いと思ったゲームがクソゲーだった経験は誰しもあるでしょう。

このような状況は、今にはじまったことではなく、かなり昔からです。

ワタシは以前、Webメディアで働いていたことがあります。ジャンルはゲームではありませんが、特定の記事に対して広告主やある団体から物言いが入って修正することになったり、発生した問題について記事として取り上げた場合には広告出稿について考え直す必要がでてくるという文面のメールを受け取ったりしたことがありました。

もうかなり昔の話ですが、それが多くのメディアでは当たり前になってしまっているため、中の人たちは感覚が麻痺していて気づいていないというのがワタシ的に感じているところです。

ですので、ゲームメディアに限らず、新聞やテレビなども含めたマスメディアというのは、基本的にある程度配慮された情報が発信されていると思って見るのが正解だと思っています。

その上で、ワタシたちにできることは、「面白いゲームを評価し買うこと」しかないのかなって。

特に「買うこと」はとても重要だと思っています。

なぜなら、ゲーム会社はゲームを販売して利益を上げているからです。

ゲームが売れなければ、ゲームを開発し続けることができません。

結果として、面白いゲームがどんどん減っていってしまいます。

また、「評価」することも大切かなってワタシ的には考えています。

この評価は、単純に☆を付けるだけではなく、情報発信することも含めた評価です。

動画の中でもSNSでの発信などについて触れられていて、そのような活動こそが結果として面白いゲームが生み出される原動力になるでしょう。

お金が指標なのは営利企業なので当然

ゲームメディアだけなく、新聞やテレビも同様ですが、どれも営利企業なので、売上が評価の対象になります。

多くのメディア事業においては、結局売上の多くが広告です。

結果、どうしても広告主の意見を聞かないといけなくなってしまいます。

また、いわゆる忖度も必要になるでしょう。

動画の中でも言われていた通り、ゲーム会社に忖度しないことでゲームの情報などをゲーム会社から貰えなくなってしまうなどの不利益があるためです。

言ってしまえば、ズブズブの関係になっているわけ。

これはワタシが働いていた会社でも、似たようなことがありました。

ただ、読者に不利益な情報を提示していないだけなので、嘘はついていないという話です。

また、断定をしないという方法もあります。

動画では、ファミ通の記事が紹介されていて、その語尾は断定ではありません。

つまり、あくまで推測であって、事実ではないということです。

ですので、メディア側は嘘はついていないと言い張ることができます。

このようなメディア自身は責任を追わずに読者に誤解を与える手法は、他にもやり方がいろいろとあって、そこは蛇の道は蛇なのかなって。

これらの方法は結局のところ、広告主からお金、言ってしまえば広告出稿を得るために、波風を立てないこと、忖度することを優先しているために使われてます。

しかし、前述したようにマスメディアは営利企業ですから、どうやっても広告主への配慮は発生してしまうため、現状のマスメディアのシステムでは解決が難しいでしょう。

従来とは異なる収益化のシステムが必要なのかなってワタシ的には思います。

個人のYouTuberなら安心?

ゲームに対する評価について、個人のYouTuberなら正しい評価を出せるのか?というと、実際には難しいのかなって個人的には思っています。

わかりやすいのは案件と呼ばれるものですね。

これまで結構バシバシゲームについて発言していたのに、案件のものについては言葉を選んでいるYouTuberの方って多いですよね。

これはInstagramとかでもそうかなって思います。

結局、お金を貰ってそのゲームを評価するということ自体、難しいのです。

どうやっても、そこに配慮が入ってしまうため。

忖度はしない!と宣言したところで、お金を貰っているので、信用度はかなり落ちるでしょう。

なぜなら、政治家の方たちとやっていることは一緒ですから。

とある企業から政治献金を受け取っている政治家を信じることができますか?

これも個人のYouTuberや政治家が悪いということではなく、ゲームの評価システムの問題なのかなってワタシ的には思っています。

ゲーム会社の目的は面白いゲームを作ることではない

この問題のもっとも根深い点は、実は、ゲーム会社の目的が面白いゲームを作ることではないことにあります。

ゲーム会社の目的は利益を上げることです。マスメディアと同様に営利企業なのです。

いやいや面白いゲームを作れば売れて儲かるから、面白いゲームを作るのが目的じゃないの?と思うかもしれません。

それは違います。

正しくは利益を上げることが目的で、面白いゲームを作ることは利益を上げるための手段の1つでしかありません。

クソゲーだったとしても、売上が上がれば、ゲーム会社として問題ないのです。

そのため、ゲーム会社では面白いゲームを作ることが評価の対象ではありません。

売れるゲーム、売上を上げられるゲームを作った、またはゲームを売って売上を上げたことが評価の対象なのです。

これはゲーム会社だけではありません。

すべての企業がそうなのです。

ワタシはソシャゲを作っている会社に取材をしたこともありますが、そこでもっとも重視されていたのは、丁度よいエロをいかに提供するか?でした。

ソシャゲの場合、いかにユーザーにガチャを回させるか?が売上に直結します。

で、ガチャを回すにはエロさが重要というわけです。

ただ、エロすぎるとガチャを回してくれないそうで、丁度よいエロが重要だと開発のプロヂューサーが力説していました。

これを非難することは簡単ですが、売上が上がらなければ、自分たちの給料が出ませんし、営利企業ですから、売上が上がることに注力するのは当然です。

結局、ゲーム開発についても、現状のシステムでは面白いゲームを作ることが難しくなっていると思います。

差別ビジネスは目的が手段になる

現在の世界の風潮としてポリコレとか多様性とか、コンプライアンスとか、フェミニズムとかいろいとあって、昔に比べると表現に制限がかかることが増えてきました。

この手の話題は、炎上しやすく、炎上すると売上に影響が出るため、利益を上げることが目的の企業としては、これらに配慮しないといけない状況にあるのは確かです。

その結果、ゲームコンサル会社「スイート・ベイビー」などにお金を支払うことで、炎上を回避しようとします。

動画では10億という金額が提示されたとのことですが、売上全体で考えれば、10億は絶妙な金額です。

最近は大作ゲームは1本1万円程度するものが当たり前になってきました。1万円のゲームが10万本売れると10億円。

大作ゲームですから、炎上するかしないかで販売本数に10万本分以上の差は簡単に出てきそうです。

そう考えると、10億払って炎上を回避できるなら、経営判断として10億払うという選択をする企業は多いでしょう。

なぜこんなことになってしまったのか?

やはりその問題の本質はポリコレなどをビジネスにしてしまったことかなって思っています。

これはポリコレだけではなくて、フェミニズムやLGBTQなどについても同様です。

本来、これらの思想を掲げ活動している人たちの目的は「差別を無くすこと」なのですが、お金が儲かってしまうと、目的が歪んでしまい、目的が「お金を稼ぐこと」にすり替わってしまいます。

いわゆる目的が手段になってしまうというビジネスあるあるです。

活動が過激になればなるほど、お金が入ってくる、いわゆる炎上ビジネスでもあるため、活動はどんどん過激になっていきます。

支離滅裂なことを言ってしたとしても、結局炎上ビジネスなので、お金儲けにつながるため、気にしないというわけです。

また、差別というテーマであるため、それを非難する人たちを差別主義者として糾弾します。

しかし、差別主義者だと相手を差別してしまっては、本来の目的である「差別を無くすこと」と全く正反対です。

ワタシとしては、本来の目的である「差別を無くすこと」に立ち返ってほしいなと思うのですが、お金を手にしてしまうと人間というのは、どうしても変わってしまいます。

もちろん、すべての活動家の方がそうなっているわけではありません。

しかし、本来の目的が手段になってしまっている活動家の方は、非常に多いように感じられます。

では、それらの活動家と言われる人たちが悪いのか?というと、これもやはりシステムの問題なのかなってワタシは考えています。

利益を追求しなくてもゲーム開発ができる未来

さて、現状の不満ばかりを言っても、結局は何も変わることはありません。

ですので、ワタシ的な解決策というか、こうなったら良いなあって未来について、少し書いていこうと思います。

今回はゲーム開発がテーマなので、そこに絞っていきましょう。

理想的なゲーム開発とはどんな状態でしょうか?

ワタシが考えるのは、「ゲーム開発者が利益を考えずに面白いゲームを開発できる状態」なのかなって思っています。

そんな状態って作れるのでしょうか?

ワタシは最近、結構小さな会社、いわゆるインディー系のゲームを好んでプレイすることが多いです。

それは大手のゲーム開発会社と比べると、ゲームの面白さを追求していることが多いため。

バグがあったり、ゲームバランスが悪かったり、かゆいところに手が届かないこともありますが、ゲームの面白さを重視しているため、面白いゲームがとても多いです。

ただ、小さな会社であっても、やはり利益を考える必要があります。

利益を考えなくて良い場合は、やはりお金がたくさんあって、そもそも会社や個人として利益を上げる必要性が無い場合でしょう。

つまり、ゲームを開発する方たちが生活するのに困らない収入があれば、面白いゲームを作ることに注力できるのでは無いかなって思うわけです。

では、生活するのに困らない収入を実現するには、どうすれば良いでしょうか?

ワタシが考えているのは、やはりベーシックインカムかなって思います。

ベーシックインカムによって、収入があれば、無理に働く必要が無くなります。

その分、面白いゲーム開発に注力できるようになるわけです。

もちろん、ベーシックインカムによって働かない人が増えるという懸念もあるでしょう。

でも、ワタシは違うと思っています。

これまでゲームを作ってみたいなと思っていたけれど、生活のために働いていた人たちが、たくさんいるからです。

これはゲームだけではなくて、マンガとか小説とか、様々なクリエイティな活動全般に言えることだとワタシは思っています。

ベーシックインカムによって働く人が減る可能性は否定できません。

けれど、ビジネスをして大金を稼ぎたい人は絶対に減らないですし、働く人が減れば、その分、働く人の価値が高まるので給料も高くなります。

また、ワタシが経験してきた会社について改めて考えてみると、実際には無駄なことをしていることが多かったです。

ただ、その無駄なことは、雇用を生み出しているので、一概に無駄と断ずるのは違うかなって思っています。

しかし、ベーシックインカムがあれば、その無駄を無くすために、人員整理もしやすいでしょう。

より効率的に、そしてそれを支える技術も高まっていくはずです。

つまり、最低限の生活ができるベーシックインカムがあれば、クリエイティな人たちは創作活動に注力し、ビジネスは効率化し、技術革新も進むということです。

もちろん、それらに興味の無い人たちも多数いるでしょう。

でも、ベーシックインカムによって消費が保証されているため、消費があるということは、経済が回るということなので、ベーシックインカムでまったり過ごす人たちがいても問題はないのです。

さらに、ゲーム開発会社に忖度するゲームメディアも減るでしょう。

なぜなら、ベーシックインカムによって最低限の生活が保証されれば、ゲームメディアで働く人たちは、広告がそれほどなくても生活ができます。

つまり、企業としての利益が少なくても、運営できるわけです。

そうなれば、広告主に忖度する必要はありません。

個人の嗜好もあるので公明正大とまではいきませんが、少なくとも現状のようなゲームメディアへの不審はかなり無くなるのではないでしょうか。

利益追求の企業が悪いわけではない

ここまで書くと、何となく利益追求をする企業が悪いように思えますが、ワタシ的にはそれは違うかなと思っています。

莫大な利益を生み出す可能性があるからこそ、莫大な投資によって、新しいことが実現できるからです。

ですので、それ自体は悪いことでは無いとワタシは思っています。

問題なのは、結局、そこに不正があった時に、それを企業の中の人が糾弾しにくいということです。

それは企業の中の人が、企業からお金をもらい生活しているわけで、糾弾することで仕事を失えば、生活ができないため。

しかし、ベーシックインカムがあれば、そのような状況も是正されるでしょう。

そして、より純度の高い利益追求ができるとワタシは考えています。

なぜなら、解雇を恐れることが無くなるため、より意見を言いやすい、つまり風通しの良い会社になるからです。

もちろん、ただ喚いているだけの人は、そのような社会になったら生きづらいかもしれません。

けれど、能力がある人にとっては、その能力を如何なく発揮できる社会になるんじゃないかなと思っています。

実際問題として、ベーシックインカムについては日本では当分導入されることは無いでしょう。

ベーシックインカムの最大の問題点は、財源ではなく、労働搾取ができないことにあるからです。

権力者の力が弱まると言った方が良いでしょう。

なぜなら、ベーシックインカムが無い現状では、札束で殴ることで従わせることができた人たちが、ベーシックインカムを導入すると札束で殴れなくなるからです。

また、これまで以上に経営者や管理職の人たちの能力が問われることになります。

さらに言えば、せっかく世襲議員によって牛耳っていた政治を、破壊しかねない可能性もあります。

結局、ベーシックインカムは今の権力構造をぶち壊すことになるので、今の権力者たちにとっては都合が悪いのです。

ゲームメディアとゲーム開発会社の力関係もその1つでしょう。

また、ゲームコンサル会社も同様です。

そこに力関係があって、対等でないからこそ、現状のような問題が発生しているとワタシは思っています。

その力関係は、完全に無くすことはできないでしょう。

しかし、ベーシックインカムによって緩和することは可能だとワタシは考えています。

そもそも活動家と言われる人たちだって、もともとは「差別を無くすこと」という崇高な目的のために立ち上がりました。

ただ、活動家だって生活していかなければなりません。

結局、お金の虜になってしまい、目的と手段が入れ子になってしまっただけです。

しかし、最低限の生活ができるのであれば、無理にお金にこだわる必要が無くなります。

そうなれば、本来の目的に注力しやすくなるのは間違いありません。

もちろん全員そうなるわけではないですが、少なくともお金のために活動家をしている人の数は減るでしょうし、お金を目的としない活動家の方たちがたくさん生まれるでしょう。

それこそ多様性を実現した社会だとワタシは思っています。