「シビックテック」とは何か?日本が抱える社会問題をITで解決

投稿者: | 2018-02-03

シビックテックとは?

皆さんは、「シビックテック」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。あまり聞きなれない言葉ですよね。今回はその「シビックテック」について調べてみました。
シビックテックというのは、「ITを中心としたテクノロジーを活用して、市民の生活をより豊かにするための活動」のことを言うそうです。例えば、ごみを捨てたいときにいつ捨てればいいのかわかりにくいですよね。そこで、「5374.jp」というアプリを使えば、色でごみのジャンルを表示し、そのごみが捨てることが可能かどうかわかります。このアプリは金沢市で開発されたもので、新しく金沢市に住むことになった人のことを考えて作られました。このようなアプリもシビックテックの一例です。
シビックテックは2009年にアメリカの非営利組織Code for Americaが活動を開始したことをきっかけに世界中に広まりました。日本国内では2013年に立ち上がったCode for Kanazawaをきっかけに活動が広がっているようです(1)。
近年の日本では「少子高齢化」「待機児童問題」「介護・老々介護問題」といった課題が深刻化していて、行政サービスだけではこれらを解決するのは難しくなっています。そこで注目され始めたのが「シビックテック」で、現在日本が抱えている社会問題を、IT技術を使って解決し、人々が住みやすい社会を作ることを目標としています。

シビックテックにはどのような事例があるのか

では、シビックテックの活動にはどのようなものがあるのでしょうか。まず、Code for SAPPOROが開発した「さっぽろ保育園マップ」があります。
さっぽろ保育園では、札幌市内の保育所を詳しい情報とともに表示し、子どもの預け先を探すのを手助けします。「検索」では様々な条件で保育所の絞り込み表示ができるので、家庭状況に合った保育所をすぐに探し出すことができます。現在では札幌市内だけでなく、全国各地で使えるサービスとして広がっているそうです。このサービスを使えば、両親の負担も軽くなり、安心して子どもを預けることができますね。
さっぽろ保育園マップ:http://www.codeforsapporo.org/papamama/
他の活動としては、千葉市が開発した「ちばレポ(ちば市民協働レポート)」があります。ちばレポというのは、千葉市内で起きている様々な問題を、情報通信技術を使って市民が報告し共有することで、合理的にその問題を解決することを目指す仕組みのことです。スマホアプリでもサービスを展開しているので、簡単に問題を報告できて便利ですね。市としても一つの窓口で問題に対応できるので、効率的に問題解決に動けそうです。
ちばレポ:https://chibarepo.secure.force.com/
他にも先ほど紹介したCode for Kanazawaの「5374.jp」や、市内の最新のPM2.5測定値を自動音声でお知らせする福岡市の「PM2.5ダイヤル」など、日本国内には数多くのシビックテックの事例があります。
5374.jp:http://5374.jp/
PM2.5ダイヤル:https://twilio.kddi-web.com/case/fukuokacity/

シビックテックのイベント

私たちの生活を豊かにする活動、シビックテック。日本国内ではシビックテック関連のイベントも開催されているようです。
東京都のNagatacho GRIDでは、2017年3月25日に「CIVIC TECH FORUM 2017」が開催されました。CIVIC TECH FORUM 2017では、社会が抱える問題を解決するために、私たち市民はどういった行動をしていくべきか考えるディスカッションが開かれたそうです。
CIVIC TECH FORUM2017: http://civictechforum.jp/
金沢市では2017年11月26日に、「シビックテック」の周知・促進のために「Civic Tech Summit KANAZAWA 2017」が開催されました。シビックテック有識者の講演や地元の学生との交流イベントが開かれたそうです。
Civic Tech Summit KANAZAWA 2017: https://www.facebook.com/events/1950089445254831
他には、2017年9月23日、24日に神戸市で開催された「Code for Japan Summit 2017」や、2017年9月11日~16日の期間台湾で開催された「シビックテック・フェスト台湾」などがありました。
Code for Japan Summit 2017: http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2017/07/20170727041901.html
シビックテック・フェスト台湾: http://www.civicwave.jp/archives/52157613.html

シビックテックに携わっている企業

シビックテックに携わっている企業についても調べてみました。
まずはヤフージャパンです。ヤフージャパンは神戸市と協力して、神戸市の目標である「スタートアップの育成支援」に携わっています。
次に、NECソリューションイノベータです。NECソリューションイノベータは、福井県鯖江市と協力して、子育てしやすい街を作るために「子育て支援ネットワークの構築」に携わっています(2)。
こういった、企業と地方自治体が協力してシビックテックを促進する取り組みは、年々増えているそうです(2)。
ヤフージャパン:https://www.yahoo.co.jp/
NECソリューションイノベータ:http://www.nec-solutioninnovators.co.jp/

まとめ

多くの社会問題が顕著に現れ、決して住みよい社会だとは言えなくなってきている日本にとって、シビックテックはこういった現状を打開するために必要なものだと私は思います。シビックテックを例として、私たち国民一人ひとりが社会問題を解決するためにどうするべきかを考えることが重要です。

参考URL

(1) シビックテックとは何か?5分野別の事例にみる、社会問題のITによる解決方法
https://www.sbbit.jp/article/cont1/34240(検索日:2018年1月28日)
(2) 【シビックテック】大企業と地方自治体の取り組み3選
https://www.jscore.co.jp/column/fintech/2017/civictech/(検索日:2018年1月28日)