霊は存在する? 心霊現象が証明できない理由と心霊の本当の怖さ

投稿者: | 2023-01-21

ABEMA PrimeのYoutube動画「【心霊現象】なぜ人は信じてしまう?境界線は?当事者女性の体験」を見ました。

https://www.youtube.com/watch?v=Aaku9IT-JbI

今回は心霊現象を体験している方も登場しましたが、心霊をなぜ人が信じてしまうかについては、あまり触れられていませんでした。

良い機会なので、どうして人間は心霊現象を信じてしまうのか?について考えてみたいと思います。

あくまで私的な考えであるので、それを理解した上で御覧ください。

心霊を信じてしまう理由

そもそも心霊を信じてしまうのは、人間がストレスや不安を解消したがる動物であることが原因です。

よくわからない現象が起きた時に人間はストレスや不安を感じます。そのストレスや不安を解消するために、よくわからない現象に対して霊の仕業という理由をつけることで納得し、ストレスや不安を解消しているのです。

ストレスや不安が解消できると、それ自体を肯定する必要があります。もし霊の存在を否定してしまうと、再びストレスや不安に苛まれてしまうため、霊などの存在を信じるしかないのです。

これが心霊を信じてしまう理由だと私的には思っています。

ストレスや不安の解消は誰しもが行っていること

人間はストレスや不安があるとそれを解消しようします。そして、その解消方法は様々です。

解消方法の方向性としては、ざっくりと

  • ストレスや不安を軽減する(紛らわす、相殺する)
  • ストレスや不安を遠ざける(逃げる)
  • ストレスや不安と向き合う(納得する、理解する)

という感じかなと思います。

ストレスや不安を軽減する例としては、レジャーやエンタメなどがあるかなと思います。アルコールやタバコ、睡眠などもそうですね。ストレスや不安の原因自体は無くならないので、それらを横に置いといて、溜まったストレスを発散したり、気分を高揚させてストレスや不安のプレッシャーと相殺すると言った感じです。

ストレスや不安を遠ざける例としては、会社を止めるや、ストレスや不安の原因となっている人に合わない、Twitterとかだとブロックするなんかがわかりやすいかなと思います。

次にストレスや不安と向き合う例としては、カウンセリングがありますね。原因と向き合うことでストレスや不安に対処していくという方法です。

そして少しわかりにくいのですが、宗教や心霊もストレスや不安と向き合う方向性の1つと言えます。

具体的に言えば、ストレスや不安に対して悪魔や幽霊などの理由をつけることで納得するということです。

わかりやすいのは妖怪。例えば海坊主という妖怪は、蜃気楼のことだと言われています。ただ、当時の人々にとっては原理がわからないため、得体の知れない何かのままだとストレスや不安が解消できず、海坊主という名前をつけ妖怪化することで納得したわけです。

心霊についてもよくわからない現象について、霊の仕業という理由をつけ、ああそうかと納得することで、ストレスや不安を解消する行動と言えます。

これは心霊に限らず、スピリチュアル的なもの全般に言えることです。

心霊にハマっていく理由

一度信じてしまうと人は心霊にどんどんハマっていきます。これは宗教も同様です。

なぜならば、ストレスや不安が発生した時、安易に解消できてしまうからです。何が起きたとしても、霊のせいにすれば、ストレスや不安が解消されるため。これは非常に楽な方法なので依存しやすく、また考えることを止めてしまうという弊害があります。

たとえば、家で隙間風が発生したとしたとしましょう。

普通の人は建付けが悪かったとか、窓が壊れてしまったと考えるのが普通です。しかし、心霊を信じている人はそれが霊のせいだと考えます。

これは宗教も一緒です。以前友人に聞いた話ですが、例えば道で1万円を拾った時、普通の人は1万円を拾ってラッキーと思うのですが、宗教を信じている人は神様が1万円を拾わせてくれた、神様ありがとうと思うそうです。

これは極端な例ですが、何が言いたいかと言うと、心霊や宗教は安易にストレスや不安を解消できるため、非常に依存性が高く、中毒性があります。私的にはアルコール依存やタバコ依存ととても良く似てると感じていますが、同列に扱われることは少ないです。

また心霊においてもっとも難しいのは、その存在を否定できない点です。

霊は存在するのか?

霊は存在するのか?という問いに対する答えは、「わからない」というの実情です。

その最大の理由は、霊が存在しないことを証明することができないため。これは悪魔の証明と言われています

悪魔の証明(あくまのしょうめい、ラテン語:probatio diabolica、英語:devil’s proof)とは、証明することが不可能か非常に困難な事象を悪魔に例えたものをいう。

悪魔の証明 – Wikipedia

そのため、霊は存在しないと言い切ることができないのです。

結果として心霊については信じる?か信じないか?という議論になってしまいます。

私的には信じない派ですが、それには理由があります。それが心霊とサイエンスの違いです。

心霊とサイエンスの違い

心霊とサイエンスには大きな違いがあります。それは証明されているか否かという違いです。

サイエンスの基本は同じ条件であれば同じ結果になるという土台があり、その上で様々な事象について証明を積み重ねていくというアプローチです。

証明ができればそれが一般的な法則として確立されます。証明されていないものは考え方の1つとして、検証を進めていくわけです。

しかし、心霊については証明が一切されていません。一体それが何なのかについて検証も行いません。

この証明されているか否かという点は大きな違いです。わかりやすい例で言えば、言った言わない論争がまさにサイエンスと心霊の違いです。

具体的には、言った言わない論争が起きた時に、サイエンスのアプローチは証拠を探し、検証し、言ったことを証明しようとする考え方。心霊は「言ったと私は思う、私は感じただから事実である」という主張をし続けるアプローチです。

どちらが正しいアプローチなのかは明白なのですが、こと心霊についてはこの主観が是とされてしまいます。

さらに心霊の中にはサイエンスによってその原理が解明されてきました。例えばラップ音などがわかりやすいですね。しかし、心霊においては「私は思う、私は感じただから事実である」ですので、サイエンスによる客観的な証明についても否定してしまいます。

正確ではないかもしれませんが、少しざっくり分けるとサイエンスは客観主体、心霊は主観主体という感じなのかもしれません。

心霊が証明できない理由

過去には心霊現象については証明しようとした試みが行われてこともあります。

その結果は一般的なサイエンスで説明できる事柄であった、または原因がわからないという結果です。

つまり、これまで心霊について証明できたことはありません。

その理由として、

似たような状況であっても同じ現象が発生しない(再現性がない)

があります。

前述したようにサイエンスでは同じ条件であれば同じ結果になるという土台があるため、同じ現象を再現することが可能です。

しかし、心霊現象については何度も同じ現象を再現できません。そのため証明ができないのです。

同じ現象を再現できないのは、それが個別の案件、つまり個人の主観が影響している可能性が高いからではないかと推測できます。

そもそも人間は正しく現実を認識できない

同じ現象を見たとしても、見る角度によって姿を変えるのが現実です。

どういうことかと言うと、例えば円錐の図形を上から見ると円ですが、横から見ると三角形に見えるということです。

つまり、心霊を見たという人にとっては円かもしれないけど、はたから見るとそれは三角形だったという話。そして、その現象について検証を行った結果、円錐であることが証明されたというのがサイエンスと言えます。

また人間は見間違いや幻覚を見る生き物です。さらに脳内の記憶を書き換えてしまうという能力があります。

つまり、人間は正しく現実を認識できる生き物ではないということです。主観ほど怪しいものはなく、あくまで主観は参考情報に留めるべきなのです。

サイエンス以外でも社会を形成する上で主観を排除しているものがいくつかあります。その1つが法律でしょう。法律には人間の主観による線引はありません。嫌ですよね、被害者が悲しいと感じた場合、10年以下の懲役なんて法律で定められていたら。

しかし、心霊の世界ではそれが当たり前のようにまかり通っています。それが心霊現象が抱える問題点です。

心霊現象が減った理由

一昔前は心霊系のテレビ番組がたくさんありました。夏の風物詩でもあったと思います。

しかし、2023年現在では心霊系のテレビ番組がかなり減ってしまいました。

サイエンスによって様々な現象が証明されたというのもありますが、もっとも大きな要因はデジタルカメラを多くの人が持ったことだと私的には考えています。

昔の心霊写真の多くは、ネガから写真を現像する際のムラなどによって発生していたことがわかっています。しかし、デジタルカメラでは現像という工程が無くなりました。その結果、写真による霊は減っていったというわけです。

またデジタルカメラは客観主体なので、主観が入らないのも理由の1つと言えるでしょう。

心霊や宗教で救われる人もいるけれど

前述したように人間はストレスや不安を抱えるとそれを解消しようとします。

そのため、心霊や宗教には一定の効果があることは否めません。

そのまま何もしなければ、どんどん症状が悪化してしまうからです。

その意味で、心霊や宗教で救われる人もいるので、頭ごなしに否定するのは違うのかもしれません。

しかしながら、心霊や宗教は本質的な問題の解決には至らないという事実を認識すべきだと考えています。

あくまでその場の対処法の1つであり、原因についてはしっかり究明すべきでしょう。そしてそれを行えるのは、心霊現象を体感した本人でないとできません。

それがまた心霊現象が残ってしまう理由とも言えます。多くの心霊現象については、サイエンス的なアプローチで証明が可能です。また、医療によって解決することができます。

そのようなアプローチをする人が増えていけば、今後心霊現象は減っていくでしょう。

最後に心霊を信じる怖さ

最新の物理学では並行世界が存在するかもしれないと議論になっています。

もしかすると、私達がいる世界と他の並行世界が重なるような状況が発生する可能性というのもあるのかもしれません。

あくまで理論であり、証明も難しいのですが、最新の物理学が導き出した考え方が、昔のSFのような話というのはとても興味深いです。

ただ、並行世界の話についてはすでにスピリチュアル的な話もいっぱい出てきてしまっているので、心霊はカタチを変えて残ってしまうものなのだと思います。

それらに騙されないようにするには、やはり自ら学ぶことが大切です。前述したように心霊のもっとも怖いところは、すべてを心霊として片付けてしまい思考停止に陥ってしまうこと。そこから一歩も先に進むことができなくなってしまうのです。

これは私自身への戒めでもあります。皆さんも思考停止にならないようにお気をつけください。

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